森の案内人・20周年記念式典、2017森の案内人フェア
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2017年10月6(金)~7日(土)、秋田県森の案内人協議会設立20周年記念式典と2017森の案内人フェアがプラザクリプトンを会場に開催された。1日目の式典では、20年にわたる森の案内人の活動紹介や森の基調講演「山ノ神のむかし」、「秋田の林業魅力倍増計画」をテーマにしたパネルディスカッションが行われた。2日目の森の案内人フェアは、あいにく朝から雨に見舞われたものの、記念植樹から森の音楽、ロープワーク教室、林業機械展示・実演、森のクラフト、自然観察、山菜ハムフライ実演・販売など多彩な催しが行われた。
- 主催 秋田県森の案内人協議会
- 協賛 秋田県森林学習交流館プラザクリプトン、一般社団法人秋田県森と水の協会、森林インストラクター会、秋田キャパスネット
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- ご来賓祝辞その1・・・東北森林管理局森林整備部技術普及課長細川斉さん
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- ご来賓祝辞その2・・・秋田県農林部森林整備課長櫻田良弘さん
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- 秋田県森の案内人協議会の活動紹介・・・平成9年設立、設立初年度から活動を開始。
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- 森づくり活動への参画・・・森と木の国「あきた」21森林づくり隊、自主企画「森の木こり塾」
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- 全国規模のイベント参画・・・平成12年緑の少年団全国大会、平成20年全国植樹祭
- 平成28年度全活動数 83件、活動者184人(うち案内活動29件、対象者1,800人)
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- 森の基調講演「山ノ神のむかし」、講師:齋藤壽胤(じゅいん)・・・山ノ神は、圧倒的に女神が多く、8割が女神。大館市別所では、十二山ノ神といって、一年に12人の子供を産む女神だと信じられてきた。その背景には、山の豊穣を多産と子孫繁栄に象徴させて、子を産みなす女の霊力を意識していたと考えられる。
- 民俗学の創始者・柳田国男の代表作「遠野物語」・・・「山に行って見ると、時折二股にわかれて生い立った木が、互いに捻じれからまって成長しているのを見かけることがある。これは山の神が十二月の十二日に、自分の領分の樹の数を算用するときに、〆めて何万何千本という時の記号に、終りの木をちょっとこうして捻っておくのだそうな。だからこの十二月の十二日だけは、里の人は山に入ることを禁じている。もし間違えて山の木に、算え込まれては大変だからという。」
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- 参考:マタギと三又の木・・・「Y」のような三又の樹木には神が宿っているとして伐採を禁じ、その木を御神体として祭る風習がある。「熊まつり」で有名な山形県小国町小玉川地区では、上の写真のとおり、三つ又のミズナラの根元に、「山の神」と刻まれた石碑が建立されている。マタギの間では、主幹が途中から二つに分かれて三又になっている木には神が宿るとされ、むやみに伐採してはならないとされている。小玉川のマタギたちは、この神木の前で、豊猟と安全を祈ってから狩りに出かける。
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- パネルディスカッション「秋田の林業魅力倍増計画」
- パネラー・・・横手市森林組合 柴田恭佑、五城目町地域おこし協力隊 渡邊幸穂、秋田プライウッド(株) 佐々木聖香、秋田県林業労働対策基金 阿部雅弘、秋田県森の案内人協議会 田口恵子
- コーデネーター・・・秋田県林業研究・研修センター 花田綾子
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- 炭焼きは難しい技術だが、魅力的な森林文化。
- 豊富な地域資源に、地域の人たちが誇りを持っている。
- 自然とは対極にあるIT関連からの参入が考えられるのではないか。
- そこで暮らしができることが一番大事。だから地域の材をもっと消費してもらうことが必要。
- 木材は、他所から買えても、緑は買えません。
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- 植樹した樹種・・・ハウチワカエデ1本、ユキツバキ2本
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- ロープワーク教室・・・アウトドアのあらゆる場面で役立つ基本的な結び方、もやい結び、8の字結びなどのやり方を学んだ。注意点は、一度覚えたと思っても、日常生活ではほとんど使わないので、すぐに忘れてしまう。そんな場合は、山に出かける前日に数回復習して、現場ですぐに使えるように準備することが肝要である。
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- 森の音楽 アルプスホルン(奥山勝栄さん作)・・・豪雪地帯のスギ人工林では、雪圧で根元が曲がっている木をよく見掛ける。その自然がつくった曲線がアルプスホルンの形にピッタリ。まさに雪国の森から生まれた楽器である。
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- 自然観察・・・「学習交流の森」を散策しながら自然観察。ガイドは、もちろん森の案内人。
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- ヤブツバキの実・・・この種子を絞ると椿油がとれる。
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- ジョロウグモのメス・・・秋、樹木見本園に多く見られる。
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- カリンの樹皮に張り付いていたセミの抜け殻・・・抜け殻からセミの種類、オスとメスの見分け方を解説。
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- タヌキの溜め糞・・・タヌキは、糞を特定の場所に集中させる「溜め糞」の習性がある。これは個体間や家族集団間の縄張りを示す役割があると言われている。糞には、大量の木の実が残っていた。
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- 冬に備えて、コノデカシワの実を貯食していたヤマガラ。カワラヒワも群れでやってきて、コノデカシワの小さな実を盛んについばんでいる。カケスは、大量に落下しているドングリを喉袋にたくさん呑み込み、忙しく飛び回っている。
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- 山菜ハムフライ実演・販売・・・昼食は、おにぎり、山菜汁、山菜ハムの三点セット。ハムフライの中には、「ふきのとう(ばっけ)」と「ワラビたたき」が入っている。会場では、「本荘ハムフライ」や「チーズ入りのハムフライ」の実演・販売も行われた。
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- ハムフライ製造・販売 「よしこの店 五厘」・・・店主の保科恵一さんは、地産地消にこだわる森の案内人 TEL0184-24-2933。保科さんが自ら鳥海山で採取してきたブナ林の恵み・天然のきのこ等は以下のとおり。
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- 森の美術館・・・森の案内人・山田賢一さんの作品「種田山頭火の句とお地蔵さん」展示解説。
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- 森の案内人の皆さんは、平成9年度の設立以来、20年の長きにわたり、県民が森林にふれあい、森林に学び、森林を育てる意識の高揚に寄与する活動を絶えることなく継続してこられた。その長年の功績が認められ、平成28年度「環境大賞」を受賞している。改めて秋田県森の案内人協議会設立20週周年をお祝いするとともに、これからも県民参加の森づくりの推進や、森の学校、林業体験、水と緑の森林祭、緑の交流集会などの各種イベントにも、これまで以上のご活躍を期待したい。
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