樹木シリーズ80 カマツカ
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- 農具の柄に使われたカマツカ(鎌柄、バラ科)
林の中では目立たない存在だが、材としては丈夫で強靭なことから、農具の柄に使われるなど、身近に使われてきた落葉低木。春、白い清楚な花をたくさん咲かせ、秋、赤い実をつけ、華やかに黄葉する。庭木や盆栽にも利用される。北海道から九州まで広く分布。
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- 名前の由来・・・鎌の柄に使われたことから、「鎌柄(カマツカ)」と書く。牛の鼻輪をこの木で作ったことから、別名ウシゴロシと呼ばれている。生活の中で身近に使われてきた木で、ノミヅカ、ウシタタキ、ウシノハナギなど、全国各地に様々な呼び方をされている。
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- 花・・・短い枝先に小さな白い花が10~20個づつ房になって咲く。花が満開になると見応えがある
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- 雄しべ、雌しべ・・・雄しべは20個で、葯は最初は白いがやがて黒くなる。雌しべの柱頭は3つに分かれ、基部には白い毛が密生している。
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- 樹皮・・・灰色系で縦にしわがより、斑紋がある。若枝はほとんど無毛。
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- 葉・・・卵形で互生し、葉先に近い方が幅広で先が鋭く尖り、縁は細かいギザギザがある。葉の表面は淡い緑色、裏面は灰白緑色で、新芽が出た時は表面に毛が見られるが、後に脱落してほとんど無毛になる。
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- 果実・・・秋に赤く熟し、先端にガク片が残る。果柄には褐色のイボ状の皮目が多い。
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- 株立ちした樹形・・・定期的に伐採された里山では、切株からすぐに萌芽し、株立ちした樹形になる。
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- 材の利用・・・細くても丈夫で粘着力があり折れにくい。加工はしづらいが、工具や農具の柄に重用された。特に玄能や金槌などの柄に重用された。他に洋傘の柄や櫛、細工小物、薪炭、シイタケの原木などに利用された。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「続・読む植物図鑑」(川尻秀樹、全国林業改良普及協会)
- 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
- 「樹木と木材の図鑑 日本の有用種101」(創元社)
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