樹木シリーズ64 コデマリ
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- 丸く集まって咲くコデマリ(小手毬、バラ科)
20個ほどの小花が半球形に集まって咲き、弓なりに伸びる枝に幾つも連なり、花の重みで枝は枝垂れる。満開になると枝垂れる姿がとても見事で、庭木や切り花として利用される。名前がオオデマリの小型タイプのように思うが、スイカズラ科ではなくバラ科。中国原産で、江戸時代初期には渡来していて、小手毬と呼ばれていた。
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- 名前の由来・・・花が集まって半球形になった様を小さな手毬に見立てて、「小手毬」と書く。
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- 花・・・本年枝の先に小さな白い花を20個ほど開く。花序は、小さな毬のような半球形で、枝の上に並んでつく。花弁は5個。
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- 雌しべ、雄しべ・・・中心部に雌しべが5個、その周りに雄しべが約20個。雄しべと雌しべの間にある黄色い腺体が目だつ。
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- 葉・・・ユキヤナギよりも幅が広く、鋸歯は粗い。表面の色は明るいが、裏面は粉白色を帯びる。
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- 貝原益軒「花譜」(1694)の解説・・・「鈴掛、一かぶより茎多く集まり生ず、葉は柿葉に似て、そのかたはらのこぎりのごとくにしてあつし、葉の色うすあをく、花は房をなして細に白色なり。春のすゑ花さく」
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- 庭木・・・花が美しいのに加え、耐寒性、耐暑性があることから、庭木として北海道から九州まで広く栽培されている。
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- 生け花、茶花・・・弓状に曲がった枝に花の塊がつき、重たげに枝垂れる姿が美しく、生け花の人たちにも好まれ、生け花の花材や切り花、茶花として利用される。
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- 俳 句
こでまりが風に弾んで誕生日 池田文子
こでまりのたのしき枝のゆれどほし 轡田 進
大でまり小でまり佐渡は美しき 高濱虚子
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- コデマリを描いた切り絵(平野庄司作、白神山地きりえの祭典より)
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「樹木 見分けのポイント図鑑」(講談社)
- 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
- 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
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