樹木シリーズ31-2 ドウダンツツジ、サラサドウダン
INDEX ドウダンツツジ、サラサドウダン |
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- 庭木として人気が高いドウダンツツジ(灯台躑躅、ツツジ科)
春、かわいい壺形の白い花が咲き、秋、紅葉も木全体が赤く染まって美しい。自然分布は、静岡県以西、九州までの山地の蛇紋岩のあるところによく生える。公園樹、庭木、生け垣として全国で広く植えられている。似ているサラサドウダンは、花の形が釣鐘型で紅色の筋が入るので、簡単に見分けられる。
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- 名前の由来・・・枝ぶりが「結び灯台(夜間の明かりとして木の枝や竹を三本交差して結び合わせ、上に灯明皿を置いたもの)」に似ているツツジの意味から、「灯台躑躅」と書く。
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- 花・・・若葉の下に壺形の白い花を散形状に吊り下げる。花びらの反り返りは、花にぶら下がって蜜を吸い、花粉を運ぶハチのための足掛りになる。
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- 満天星躑躅・・・枝一杯に花が咲くと満天の星のように美しいことから、漢名は「満天星躑躅」。
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- 葉・・・5枚前後の葉を車輪状につけることを繰り返して枝葉を伸ばす。倒卵形で細かい鋸歯がある。
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- 樹皮・・・若い木の樹皮は、灰褐色で滑らか。後に不規則に裂けてパッチ状に落ちると、美しい斑模様になる。。
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- いくら刈り込んでも枯れない強さがあることから、庭木として、円錐形、円い形、角形など、自由な形につくれる。おもしろい生垣もできる。
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- 紅葉が美しい・・・木全体が赤く染まって、燃えるように見事に紅葉する。花より紅葉を楽しむために植える人もいるほどである。
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- 俳句
天に星地に満天星の花咲けり 折井紀衣
満天星の 紅葉垣なり 暮れのこる 遠藤はつ
どうだんに まじりて咲ける つつじかな 山口青邨
満天星に 隠りし母を いつ見むや 石田波郷
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サラサドウダン |
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- 花も紅葉も美しいサラサドウダン(更紗灯台、ツツジ科)
花は枝先に総状に垂れ下がって咲き、美しい更紗模様がある。深山の岩交じりの尾根道の林縁などに生え、登山でお馴染みの花木。里のドウダンツツジと違い、花先が壺型ではなく、釣鐘型である。葉は枝先に輪生状に集まってつき、秋の紅葉も美しい。よく似た種に、花の赤みが強いベニサラサドウダンがある。
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- 鮮やかな赤がまぶしい紅葉・・・ドウダンツツジより大きな葉が枝先に集まってつき、秋になると、鮮明な赤色を見せる。高山の紅葉では、ナナカマドと並び赤系紅葉の主役的存在である。
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- 名前の由来・・・花びらに更紗染めのような模様があり、垂れ下がった花序を結び灯台のあしに見立てて、「更紗灯台」と書く。
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- 花・・・別名フウリンツツジと呼ばれているだけに、里のドウダンツツジと違い、花先が壺形ではなく釣鐘形。枝先に鐘形の花を総状に多数吊り下げる。花の色は、帯白色または帯淡黄色で紅色の筋が入り、先端は淡紅色を帯びる。
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- 葉・・・枝先に輪生状に集まってつき、楕円形または倒卵形。縁に細い鋸歯がある。裏面の主脈には赤褐色の毛がある。
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- 紅葉・・・濃いオレンジ色、紅色に輝く紅葉は、青空に映え実に美しい。ツツジの仲間では、紅葉が最も美しいと言われている。
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- 栗駒山の紅葉その2・・・赤い色はサラサドウダン・コメツツジ・ミネザクラ、黄色はミネカエデ・ダケカンバ、緑色はハイマツ。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「樹木観察ハンドブック 山歩き編」(松倉一夫、JTBパブリッシング)
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