樹木シリーズ238 ヤブコウジ、カラタチバナ
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- 十両と呼ばれる縁起物・ヤブコウジ(ヤブコウジ科)
正月用に万両、千両、百両(カラタチバナ)に次いで、園芸店で十両と呼ばれているのが本種。山地の木陰によく群生し、高さ10~20cmほどの常緑小低木。冬に赤い実を葉陰につけ、正月の縁起物として庭や盆栽などに栽培される。落語の「寿限無(じゅげむ)」に出てくる「やぶらこうじのぶらこうじ」とは縁起のいいヤブコウジのことだという。奥尻島、本州以南に分布。
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- 名前の由来・・・実はミカンより遥かに小さいが、赤い実の先が少し窪んでいてミカンの形をしている。本種の実がミカンを意味する柑子(コウジ)に似ていて、山地の藪の中に生えていることから。
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- 花・・・白い花が葉に隠れるように下向きに咲く。花冠は5裂する。雄しべは5個、雌しべは1個。
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- 葉・・・3~4個が輪生状に互生し、長楕円形で縁に細かい鋸歯がある。
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- 斑入り・・・江戸時代、園芸植物として流行し、斑入りなど珍しい品種は大金で取引されたという。
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- 百両と呼ばれる縁起物・カラタチバナ(ヤブコウジ科)
暖地の林の下に生える常緑小低木。正月の縁起物として、万両に対して百両と呼ばれ、庭や鉢に植えられる。茎は枝を分けずに上に伸びて葉を広げ、その下に花や実をつける。茨城・新潟以西に分布。
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- 名前の由来・・・日本の在来種だが、真っ赤な実をつける姿が「唐」に自生しているミカン科の「橘」に似ていることから、「唐橘」と書く。
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- 葉・・・葉は細長く、一見ササに似ているが、細かい波状の鋸歯がある。質は厚い。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
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