樹木シリーズ235 コメバツガザクラ、ツガザクラ・・・
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- コメバツガザクラ(米葉栂桜、ツツジ科)
亜高山帯から高山帯の岩隙や砂礫地に生える。1属1種の常緑小低木で、茎は枝分かれして下部は地を這う。革質の葉が3枚輪生し、壺形のかわいらしい花が枝先に3個下向きにつける。花は、白色に加えて赤みを帯びたタイプもあり、そういう個体はガク片も赤みが強い。鳥取県大山以北から北海道に分布。
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- 名前の由来・・・小さな葉を米粒に見立てて、全体がツガザクラに似ていることから、「米葉栂桜」と書く。
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- 生育場所 八幡平や乳頭山、秋田駒ケ岳、鳥海山、栗駒山など、高山の礫地や岩場。
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- 葉・・・3輪生または対生し、長楕円形で革質。縁は全縁
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- 花・・・枝先に白い花を1~3個下向きに咲く。花冠は壺形で先は5裂する。雄しべは10個で、葯の背面に2個の角状突起がある。北海道産は花やガクの紅色が濃いと言われている。
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- 蒴果・・・扁球形で先端に花柱が残る。(写真出典:ウィキメディア・コモンズ)
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- ツガザクラ(栂桜、ツツジ科)
日本海側では月山以南の亜高山帯から高山帯の岩の割れ目や礫地、草地に生える常緑低木。葉は線形の革質で密に互生する。花は、枝先に1~5個、多いものは10個も横向きまたは下向きに咲く。
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- 名前の由来・・・葉が針葉樹のツガの葉にそっくりで、花がサクラ色なので、「栂桜」と書く。
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- エゾノツガザクラ(蝦夷の栂桜、ツツジ科)
高山の湿った草地に生え、高さ10~30cmになる。枝先に紅紫色の花を2~7個開く。花冠は卵状壺形で、外側に腺毛がある。ガクは紫色を帯びる。葉は線形で密に互生する。裏面の主脈には白い微毛がある。蒴果は長さ3mmの卵球形。北海道、岩木山、早池峰山、月山に分布。
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- 名前の由来・・・蝦夷地域に生育するツガザクラという意味で、「蝦夷の栂桜」と書く。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「山渓フィールドブック 高山植物」(木原浩、山と渓谷社)
- 「フラワートレッキング秋田駒ケ岳」(日野東ほか、無明舎出版)
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