樹木シリーズ234 キャラボク、ガンコウラン
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- キャラボク(伽羅木、イチイ科)
日本海側の高山や深山に生える雌雄異株の常緑低木。幹の下部が地を這い、盛んに枝分かれして高さ1~3mになる。鳥取県大山には、国の天然記念物の群落があり、ダイセンキャラボクと呼ばれている。夏から秋に熟した種子を包む仮種皮と呼ばれる外側の種皮が赤くなり、甘くて食べられる。しかし種子は有毒なので注意。花期は3~5月。本種は庭木や生垣にも利用される。
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- 名前の由来・・・本種の材がキャラ(伽羅)という香木に似ていることから、「伽」と書く。ただし伽羅とは全くの別種である。
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- 高さ・・・1~2m。下部からよく枝分かれして横に広がる。(写真:鳥取県大山・ダイセンキャラボク)
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- 葉・・・線形でイチイに似ている。ただしイチイのように2列にはならず、やや輪生状に並ぶ。
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- 雌花は緑色で、胚珠の基部は鱗片に包まれる。熟すと肉質の赤い仮種皮が種子をくるむ。
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- 果実・・・秋に赤く熟したおわん形の果実をつける。その外側の赤い果肉は、甘くて食べられる。生食のほか果実酒として利用される。ただし誤って中の種子まで食べると死に至るほどの猛毒があるという。
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- ガンコウラン(岩高蘭、ガンコウラン科)
本州中部以北の高山に生える雌雄異株の常緑低木。花は雪消えと同時に咲くので登山期には散ってしまう。地を這ってマット状に広がり、大群生していることが多い。花は地味なのでよく探さないと見つけるのが難しい。秋、黒く熟した実は、甘酸っぱく食べられる。
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- 生育場所・・・高山のハイマツの林縁、岩壁、砂礫地。地を這ってマット状に広がる。
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- 液果・・・直径0.6~1cmで黒く熟す。果実酒にするとブドウ酒色になる。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「フラワートレッキング秋田駒ケ岳」(日野東ほか、無明舎出版)
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