樹木シリーズ218 モチノキ
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- 光沢のある葉に赤い実が映えるモチノキ(黐の木、モチノキ科)
宮城・山形以西の暖地の海岸に近い山地に生え、庭木、公園に広く植栽されている。春に咲く花は地味だが、秋につける真っ赤な実は美しい。雌雄異株のため、実がなるのは雌木に限られる。大気汚染に強く、剪定も自由にできるので、街の中でも植えられているという。秋田では馴染みが薄いが、千秋公園の内堀の園路沿いに植栽されている。
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- 名前の由来・・・この木の樹皮から、接着剤のようなネバネバ成分をつくり、竿の先に塗って鳥を獲ったりしたので「トリモチ(鳥黐)」と呼ばれた。そのトリモチで、小鳥やハエ、セミを獲ったり、ゴムの代用として使われたという。そのトリモチ(鳥黐)をつくる木という意味で「モチノキ」と呼ばれている。
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- 樹皮・・・灰白色で、樹皮から良質のトリモチをつくる。樹皮を剥いで、水につけて腐らせた後、つき砕いて水にさらし、昔の接着剤「トリモチ」をつくった。
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- 葉・・・革質で、やや細い楕円形。表裏とも、葉脈がほとんど見えない。一般に縁には鋸歯はないが、幼木や剪定した箇所から鋸歯のある葉が出るという。
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- 果実・・・常緑の葉の間にたくさんの赤く熟した実をつける。
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- モチノキと野鳥・・・よく目立つ真っ赤な実には、よく鳥がやってきて食べる。主にヒヨドリやツグミが採食し、食べ物が少ない年はメジロやジョウビタキなども食べる。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
- 「野鳥と木の実と庭づくり」(叶内拓哉、文一総合出版)
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