樹木シリーズ216 ヒイラギ
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- 厄除けに使われるヒイラギ(柊、モクセイ科)
山野より庭木や公園樹、生け垣として見かけることが多い常緑樹。葉の縁に鋭いトゲがあることで有名。堅くて鋭いトゲは3~5対ある。このトゲがあることで、鬼や悪魔を追い払う厄除けに使われることが多い。ただしトゲがあるのは若い木で、老木になると葉の縁は丸くなる。
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- 名前の由来・・・葉のトゲに触るとひいらぐ(ヒリヒリする、ズキズキと痛む)ことから。
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- 葉・・・先端はトゲ状に尖り、縁にはトゲ状の鋭い鋸歯が3~5対ある。老木では全縁のものが多い。表面は光沢がある。
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- 花・・・葉腋に芳香のある白い花を束生する。雌雄異株。
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- 果実・・・楕円形で、翌年の6~7月に黒紫色に熟す。
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- 古くから生垣に利用・・・ヒイラギの葉は、触ると痛いトゲがあることから、昔から防犯用の生垣として用いられてきた。平安時代には、家の厄除けとして、北東にヒイラギの木を、南西にナンテンの木をよく植えていたという。
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- 鬼も退散・・・古来から邪気を払う植物とされ、農家などではよく門口に植えるほか、節分にイワシの頭を添えてヒイラギの葉を玄関に刺す。こうすると悪魔や鬼が近づかないという。
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- 外国産のヒイラギはクリスマスの飾りに使われる・・・セイヨウヒイラギやアメリカヒイラギは、クリスマス飾り用に花店で売られている。
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- 若い木の葉には鋭いトゲがあるが、年をとると丸くなるのは何故か?
トゲは、草食動物に対する防御と言われている。動物が届かない高さになると、トゲは無用になるので丸くなるというわけ。若い頃は尖っていても、歳を重ねると丸くなるという人間の性格と同じところが、何となく納得してしまう。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
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