樹木シリーズ214 モクセイの仲間
INDEX キンモクセイ、ギンモクセイ、ヒイラギモクセイ、ウスギモクセイ |
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- 甘い香りで人気の庭木・キンモクセイ(金木犀、モクセイ科)
ギンモクセイの変種で、甘い香りで人気があることから、庭などに広く植えられている。原産地は中国で「丹桂」と呼ばれ、「桂花茶」の香りづけに使われている。日本には雄株しか渡来していないので、雌花はなく、果実は見られない。他にモクセイの仲間として、ギンモクセイ、ヒイラギモクセイ、ウスギモクセイについて取り上げる。
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- 名前の由来・・・ギンモクセイの花が白であることに対し、橙黄色の花を金に例えたことから名付けられた。また、樹皮の様子が動物の犀(サイ)の皮膚に似て、金色の花を咲かせることから「金木犀」と書く。
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- 花期・・・10月、高さ4~6m、大きなものは10mを超える
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- 樹形・・・自然樹形は球形に近く、横方向にも広がる。
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- 花・・・橙黄色の小さな花を多数束生して、強い芳香を漂わせる。雌雄異株だが、日本には雄株しか見られない。
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- 雄花・・・雄しべが2個と先が尖った不完全な雌しべが1個ある。
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- 葉・・・表面は革のようになめらかで光沢がある。質感はパリパリと堅く、縁は大きく波打ち、光に透かすと網目状の葉脈が目立つ。
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- 桂花茶・・・花茶の一種で、キンモクセイの花を乾燥させたもの。桂花茶の香りは濃厚で、長い時間持続するので、緑茶、紅茶、烏龍茶などの良い香り付けに使われている。
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- ギンモクセイ(銀木犀、モクセイ科)
中国原産で、庭木として植えられている。中国名は桂花。花は白く、キンモクセイほど強くない。葉は、キンモクセイより幅広で鋸歯がある点で見分けられる。
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- 花期・・・10月、高さ3~6m、大きなものは10mを超える
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- 花・・・小さな白い花を束生する。雌雄異株だが、雌株は渡来していない。
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- ヒイラギモクセイ(柊木犀、モクセイ科)
ギンモクセイとヒイラギの雑種で、庭などに植えられている。よく生垣に利用され、ヒイラギと間違えられることがある。葉のトゲは細く小さく、6~10対あり、表面の光沢が弱い点が異なる。秋になると、葉の基部に良い香りの白い花が咲く。
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- 花・・・芳香のある白い小さな花を束生する。雌雄異株だが、雄株だけが知られている。
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- ウスギモクセイ(薄黄木犀、モクセイ科)
ギンモクセイの変種で、関西地方によく植えられている。九州に野生のものがあるともいわれている。よく分岐して高さ7mほどになる。花は、キンモクセイによく似ているが、黄白色で少し大きい。果実は楕円形で、黒紫色に熟す。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
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