樹木シリーズ196 ゴヨウマツ
|
 |
- 盆栽の王様・ゴヨウマツ(五葉松、マツ科)
深山の尾根や岩の上などに自生し、庭木や盆栽にされる。生長が遅く、若木でも風格のある樹形になるので盆栽に珍重され、「盆栽の王様」とも言われている。葉が2本ずつ束になるクロマツやアカマツとは異なり、5本ずつ束になってつく。庭木では2~3mと低いが、深山の大木になると高さ35m、直径1mぐらいになる。分布は、東北地方東南部以西、四国、九州。秋田には、中部地方以北に分布するキタゴヨウマツが自生する。
|
 |
- 名前の由来・・・「五葉松」の名のとおり、針状の葉が5枚ずつ束になってつくことから。
|
 |
|
 |
 |
- 樹皮・・・暗灰色で、老木になると不ぞろいの薄片となって剥がれ落ちる。
|
 |
|
 |
- 葉・・・短枝に5個ずつつき、長さ2~6cmの針状でややねじれ、上部にわずかに鋸歯がある。裏面は白っぽい。葉の横断面は三角形。
|
 |
 |
- 花・・・雌花は本年枝の先端につき、長楕円形で紫紅色または緑色。雄花は本年枝の下部につく。
|
 |
- 球果・・・長さ4~7cmの長卵形で先端はあまりとがらない。翌年の10月に成熟すると苞鱗が開く。種子は倒卵形で、種子より短い翼がある。翼は薄くてもろい。
|
 |
 |
- 利用・・・庭木、盆栽として利用され、園芸品種も多い。本種は、盆栽に用いられるアカマツやクロマツに比べても樹齢が長く、暑さにも寒さにも強いことから人気が高い。材は狂いが少なく、建築、楽器、彫刻、建具、マッチの軸木、パルプなどに利用する。
|
 |
 |
参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
|