樹木シリーズ191 シロヤシオ(ゴヨウツツジ)
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- 愛子様のお印として有名なシロヤシオ(別名ゴヨウツツジ、ツツジ科)
岩手県以南の太平洋側、四国にかけての山地の主に岩場に生える白いツツジ。小枝の先に5枚ずつ葉を広げ、白く清楚な花を斜め下向きに咲かせる。葉が5枚ずつ枝につくので別名五葉躑躅(ゴヨウツツジ)とも呼ばれている。「この純白の花のような純真な心を持った子どもに育ってほしい」との願いを込めて、愛子様のお印(皇族のシンボルマーク)としても知られている。
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- 名前の由来・・・「ヤシオ(八汐)」とは、8回も布を染め汁に浸して染めたことを意味し、純白の花の色が布を8回も染めるほど鮮やかに見えることから、「白八汐」と書く。葉が5枚輪生することから、別名「ゴヨウツツジ」とも呼ばれている。
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- 葉・・・よく分岐し、その枝先に菱形の葉が5個輪生状につき美しい。
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- 日が当たると日焼けするのか、赤い縁取りができる。日の当たらない下の緑の葉によく映えて美しい。
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- 花・・・葉と同時に1~2個の花が咲く。花冠は広い漏斗状で5裂する。雄しべは10個、花糸の基部に白い毛がある。
- 樹皮・・・古い樹皮が松の樹皮のように亀甲状に割れることから、松膚(マツハダ)とも呼ばれている。
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- 愛子様のお印
皇族は、身の回りの品々を区別する目印として、幼少時から「お印」を用いるしきたりがある。愛子様のお印は、「ゴヨウツツジ(別名シロヤシオ)」と決められた。毎年5月、栃木県・那須御用地内で白い花を咲かせる。ご夫妻は、静養で御用邸に滞在中、散策の途中でこの花をご覧になっており、侍従によると、「春の芽生えの時期のこの花の美しさがお好きで、お子さまに、この純白の花のような純真な心を持った子どもに育ってほしいとの願いを込められた」という。ちなみに新天皇陛下のお印は「梓」、新皇后・雅子さまは「ハマナス」である。
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- 紅葉も美しい・・・秋、黄色から紅色に紅葉する。白花、新緑、紅葉ともに美しいのが魅力。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
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