樹木シリーズ188 コケモモ、アオノツガザクラ、コツガザクラ
INDEX コケモモ、アオノツガザクラ、コツガザクラ |
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- 赤く熟した実は食べられるコケモモ(苔桃、ツツジ科)
高山の林縁や草地、礫地に生える常緑の小低木。「苔桃」と言われるとおり、赤く熟した実は、甘酸っぱく食べられる。光沢のある楕円形の葉は、一見、草かと思うほど小さい。6~8月頃、やや紅色を帯びた白色の小さな花を3~8個下向きに開く。
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- 名前の由来・・・低木で地面に這って群生している様が「苔」に、赤い実を「桃」に見立てて、「苔桃」と書く。(写真:コケモモの盆栽)
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- 液果・・・1cmにも満たない小さな液果は、球形で紅色に熟し、甘酸っぱい。生食のほか、果実酒やジャムにする。
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- コケモモのジャム・・・希少な高級ジャムができるという。きれいに洗った実を丸ごと少しの砂糖とともに鍋にかけ、水分が出たら火を細めて、焦げつかないように鍋底からかき混ぜ煮詰めていく。途中、味を見ながら砂糖を加える。(写真:イメージ・北欧のコケモモ)
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- 北欧のコケモモ・・・北欧では、平地の森にコケモモがいっぱい生えているという。主にジャムやソースに加工して使う。赤い実が非常に鮮やかで苔の緑に良く生える。
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アオノツガザクラ |
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- 雪田周辺に大きな群落をつくるアオノツガザクラ(青の栂桜、ツツジ科)
高山帯の湿り気のある草地や岩場などに生える常緑の低木。雪田周辺に大きな群落をつくる。花は美しいクリーム色で、枝先に4~7個つき、やや下向きに咲く。
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- 名前の由来・・・黄緑色の花をアオと言い、全体がツガザクラに似ていることから、青の栂桜と書く。
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- 葉・・・枝の上部に密に互生し、線形または披針形で、縁には細かい鋸歯がある。
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- 花・・・枝先に淡い黄緑色の可憐な花を下向きに開く。花冠は卵状壺形。雄しべは10個。ガクは5裂し、外側の基部に腺毛が密生する。
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- 雑種・コツガザクラ(小栂桜、ツツジ科)
ツガザクラとアオノツガザクラの雑種と考えられ、両者の中間の形態を示す。生育環境も両者と同じ。花の色は白色壺形から淡い緑色など、色の変化が多い。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「フラワートレッキング 秋田駒ヶ岳」(日野東・葛西英明、無明舎出版)
- 「秋田の山野草Ⅱ300選」(秋田花の会)
- 「山渓フィールドブックス 高山植物」(木原浩、山と渓谷社)
- 「見つけたその場でわかる山菜ガイド」(今井國勝ほか、永岡書店)
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