樹木シリーズ181 ボダイジュ、オオバボダイジュ
INDEX ボダイジュ、オオバボダイジュ |
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- 寺院によく植えられるボダイジュ(菩提樹、シナノキ科)
中国原産で、寺院によく植えられる。ただし、釈迦が木の下で悟りを開いたのはインド原産のクワ科のインドボダイジュで別種。ボダイジュは、12世紀、禅宗を伝えた栄西が中国の天台山のものを日本にもたらしたと言われている。葉はハート形で基部がやや左右非対称で、裏面に銀白色の細かい毛が密生する。中国大陸中南部と朝鮮半島に分布。
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- 名前の由来・・・釈迦が悟りを開いたのは、インド・ブッダガヤの「インドボダイジュ(上の写真)」の樹の下であることから、 サンスクリット語の「悟り」を意味する「ボーディ(bodhi)」
の音を漢字にして「悟りの木」を「菩提樹」と呼ぶようになった。
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- 葉・・・ゆがんだ三角状広卵形で、シナノキよりやや厚い。葉裏には、銀白色の毛が密生し、白く見える。花序の柄には、シナノキ科特有のヘラ形の苞がつく。枝に毛があるのも特徴。
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- 花・・・葉腋から散房状の集散花序を下向きにだし、淡い黄色の香りの良い花を開く。花弁とガク片は5個、雄しべは多数。花序の柄にはヘラ形の葉状の苞が1個ある。
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- 果実・・・長さ7~8mmの球形で、淡い灰褐色の毛が密生する。
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- インドボダイジュ(クワ科)・・・本種が仏教聖樹の「菩提樹」。熱帯地方では高さ20m以上に生長する常緑高木。葉の先端が長く伸びるのが特徴。耐寒性が弱く、中国では育たないので、その葉の形が似ているボダイジュを代用品としたものである。
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オオバボダイジュ |
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- 葉が大きいオオバボダイジュ(大葉菩提樹、シナノキ科)
中部地方以北の山地に生え、高さ10~20mになる。葉は、シナノキの仲間では最も大きいハート形で、葉の裏面や花序、苞、実はビロードのような毛に覆われる。6~7月、淡い黄色の花を開く。シナノキに比べ、樹皮の繊維は丈夫ではなく、花蜜の量も劣る。
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- 名前の由来・・・中国からもたらされた菩提樹に似ていて、葉がその二回り以上大きいことから、「大葉菩提樹」と書く。
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- 葉・・・大きなハート形で、先端は短くとがり、縁には尖った鋸歯がある。葉の表面は無毛、裏面は灰白色でやわらかい星状毛が密に生える。裏面の側脈の基部に淡褐色の軟毛が密に生える。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「図説 日本の樹木」(鈴木和夫・福田健二、朝倉書店)
- 「樹木 見分けのポイント図鑑」(講談社)
- 「゛読む゛植物図鑑」(川尻秀樹、全国林業改良普及協会)
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