樹木シリーズ171 アオハダ
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- 赤い実はツキノワグマの好物・アオハダ(青膚、モチノキ科)
山地や里山の雑木林に生える。赤い実は、短い枝の先端に数個ずつ束になってつく。その実は、ツキノワグマが好んで食べる。この木の特徴は、枝に短い枝が発達しコブコブになっている点で、そのコブ一つが1年分の成長だという。灰白色の滑らかな樹皮は、爪で簡単に剥がれ、緑色の内皮が見える。これが和名の由来。材は器具や細工物に使われ、葉を茶の代用にすることがある。北海道から九州まで広く分布。
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- 名前の由来・・・樹皮は、爪で簡単に剥がれ、内皮が美しい緑色の肌をしていることが和名の由来。ツキノワグマがこの木に登って赤い実を好んで食べるので、「クマノリ」の地方名もある。
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- 葉・・・卵形で葉脈が窪むのが特徴。長い枝では互生し、短い枝では3~4枚が束になってつく。先は短く尖り、縁には浅い鋸歯がある。
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- 葉の利用・・・茶の代用にしたり、新芽を食用にする。
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- 花・・・短い枝先に緑白色の花が咲く。雌雄異株。雄花は球状に多数集まってつき、雌花は数個ずつつく。
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- 樹皮・・・灰白色で薄く、爪で簡単に剥がれる。内皮は緑色。
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- 鳥による散布・・・鳥による散布調査によれば、果実の凶作年で種子が運ばれた距離は平均5mと短いのに対して、豊作年では平均105mと長くなっていた。これは凶作年には、移動範囲の狭い定住性の鳥のみによって種子が運ばれていたが、豊作年には定住性の鳥が食い尽くせず、移動範囲の広い旅鳥にも種子が運ばれるようになったためと考えられるという。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
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