樹木シリーズ169 ニワウルシ(シンジュ)
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- ゴマの香りのする巨大な羽状複葉・ニワウルシ(別名シンジュ、ニガキ科)
中国原産で明治初期に渡来。蛾の幼虫が好む食草で、養蚕のために各地に植えられた。成長が速く、環境が悪くてもよく生育するので、庭木や街路樹、公園樹として植えられたものが、全国各地で野生化して問題になっている。巨大な羽状複葉が特徴。その葉がウルシに似ているが、ウルシ科とは別の仲間で、かぶれることはない。巨木になるので庭木には不向き。
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- 名前の由来・・・葉がウルシに似ていて、庭に植えられる木というのが名前の由来。別名のシンジュ(神樹)は、英名「Tree of Heaven」を和訳したもの。
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- 葉・・・大形の奇数羽状複葉で互生する。小葉は6~12対あり、卵状披針形で先が鋭く尖る。大きいものでは1mにも達する。
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- 独特の香り・・・鋸歯の裏に腺点があり、葉に触ると、ゴマのような独特の香りがする。
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- 花・・・枝先の円錐花序に緑白色の小さな花を多数開く。雌雄異株。
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- 果実・・・翼果で、両端に翼、中心に種子があり、回転飛行する。
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- 樹皮・・・灰白色でなめらか。大きくなると、縦に浅く裂け、シワ状の皮目がある。繁殖力が強く、根からも萌芽する。
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- シンジュサンの食草・・・ヤママユガ科のガの一種・シンジュサンの幼虫の食草。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
- 「樹木 見分けのポイント図鑑」(講談社)
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