樹木シリーズ127 ミツバウツギ
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- 三出複葉で白く清楚な花を咲かせるミツバウツギ(三葉空木、ミツバウツギ科)
山の日当たりの良い沢沿いに生える。3枚一組の三出複葉で、ウツギの花に似た白く清楚な花を咲かせる。花びらは5枚あるが、満開の時でも半開きで、完全には開かない。果実は、デカパンのようなユニークな形で、秋に褐色に熟す。若葉は山菜として利用される。
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- 名前の由来・・・葉が三枚一組の三出複葉で、春から初夏にかけて咲く白い花がウツギに似ているので、「三葉空木」と書く。
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- 葉・・・三出複葉で対生する。小葉は、長卵状楕円形で、鋸歯は細かい。
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- 若葉は山菜・・・開いたばかりの若葉はいい香りがする。若葉を茹でて水にさらし、和え物や酢の物、煮物、天ぷら、味噌汁などに利用される。
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- 花・・・枝先に狭い円錐花序をだし、長さ約8mmの白い花を咲かせる。満開の時でも半開きで、完全には開かない。雄しべは5個、雌しべは1個。
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- なぜ完全に開かないのか・・・花が完全に開かない形をしているのは、蝶やハナバチ類など訪れる昆虫を制限していると言われている。
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- 蒴果・・・膜質でやや膨らみ、矢羽根あるいはデカパン、初心者マークを逆さにしたようなユニークな形をしている。熟すと先が浅く2~3裂する。
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- 樹皮・・・褐色~淡い灰褐色で、かすかに縦縞模様がある。名前はウツギだが、実際は空木ではなく、白い髄が詰まっている。皮を剥いだ枝で箸をつくる。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
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