樹木シリーズ122 ヒトツバカエデ(マルバカエデ)
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- 葉に切れ込みがなく円いヒトツバカエデ(一葉楓、カエデ科)
秋田県・岩手県以南から紀伊半島東部に分布し、温帯の山地のやや湿り気のある山腹や沢沿いなどに生育する。円い葉は、カエデ特有の切れ込みがないので、カエデの仲間に見えない。しかし、秋、プロペラのような翼のある果実を見ると、カエデの仲間だと納得する。花も実も上向きにつく。黄葉は、黄色が鮮やかで美しい。葉の形から覚えやすい別名マルバカエデとしている標識も少なくない。
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- 名前の由来・・・一般にカエデの仲間は、葉に掌状になる切れ込みがあり、特に3出複葉になるものが多いが、本種は葉に切れ込みがないことから、「一葉楓」と書く。円い葉の形から、別名マルバカエデとも呼ばれている。
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- 葉・・・葉は10~20cmと大きく倒卵状円形で、切れ込みが全くない。対生する。先は短く尾状に尖り、基部は心形。
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- 花・・・枝先に総状花序を直立し、雄花と両性花をつける。花弁とガク片は5個。雄しべは8個、子房に赤褐色の軟毛が密生する。
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- 翼果・・・翼果は上向きにつき、プロペラ形の翼は鈍角に開く。
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- 樹皮・・・暗灰色で、若枝には淡い褐色の伏毛がある。公園でみかける樹木の標識は、葉の形が円いことから別名マルバカエデとしているものが多い。
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- 黄葉・・・カエデの仲間と同じく、大きなハート形の黄葉が美しい。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
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