樹木シリーズ111 マサキ
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- 生垣に利用されるマサキ(柾、ニシキギ科)
海岸近くの林内や林縁に自生し、寒冷地より暖地で普通に見られる。挿し木でも移植でも簡単に根付き、刈り込みにも強いので、庭木や生垣に利用される。特に潮風にも強いことから、海岸の風除けには最適。オウゴンマサキ,キンマサキ、ギンマサキなど多くの品種が作り出されている
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- 名前の由来・・・年中青い葉を付けているので、真青木(マサアオキ)から転訛して「マサキ」となったという説があるが、他に諸説ありはっきりしない。
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- 別名アオキ・・・マサキをアオキと呼ぶ地方では、籾まきや田植えが終った後、稲が青くしげることを願って、水田の畦にこの木だけを立てる風習があった。
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- マサキの特徴
- 主に海岸付近にはえ、成長が早く潮風に強い。海岸の風除けには最適。
- 公害に強く、日陰でもよく育つ。
- 枝は繁密してよく伸び、刈り込んでもよく芽吹く。
- 寒さにも比較的強く、広く東北地方で植栽されている。
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- 葉・・・ヘラ形で細かく浅い鋸歯がある。厚い革質で表面には光沢がある。幅が広い葉や狭い葉があるなど変異がある。
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- 花・・・葉腋から集散花序を出し、緑白色の花を多数開く。 雌雄同株。
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- 花弁、雄しべ、雌しべ・・・花弁は丸く4枚。花盤が発達し、雄しべは花盤の縁に4個つく。雌しべは真ん中に1個。
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- 蒴果・・・球形で、最初は淡い褐色の種皮に包まれているが、晩秋に熟すと3~4裂し、橙赤色の仮種皮に包まれた種子をぶら下げる。この仮種皮を剥ぐと白い色で表面が滑らかな種子が出てくる。
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- 赤い仮種子と野鳥・・・赤い種子が出てくると、メジロやジョウビタキ、ムクドリなどが採食する。
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- 利用・・・常緑で枝の発生が多く、邸内の目隠しになるのに加え、樹勢が強健で強く刈り込んで垣根の形を自由に整えることができる。だから以前は、特に生け垣利用が主流であった。
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- オウゴンマサキ・・・新しい葉が鮮やかな黄一色になるので、株全体が黄金色に包まれる。やがて明るい緑色になる。
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- 古事記・・・古い時代から身近な常緑樹で「古事記」に「天の真拆葛(マサキかずら)を髪飾りとして・・・」と、その名が現れている。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
- 「野鳥と木の実と庭づくり」(叶内拓哉、文一総合出版)
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