2016森の学校 森の案内人フェアPart2
秋の里山散策と森づくり体験 |
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2016年10月2日(日)、「森の案内人フェアPart2 秋の里山散策と森林づくり体験!」が、秋田市添川の里山を会場に開催された。個性あふれる森の案内人の方々の特技を活かし、紙芝居、スギの伐倒の実演、丸太輪切り、皮むき体験、里山散策と自然観察、ロープワーク体験、森の工作(イタドリ笛、竹笛、水鉄砲など)、木登り体験、秋の味覚「芋の子汁」と持参した弁当で野外昼食、焼き芋、焼きマシュマロ、おもしろクイズなど多彩な催しが行われた。
- 主催/秋田県森の案内人協議会
- 協賛/秋田県緑化推進委員会、あきた森づくり活動サポートセンター、秋田県森林学習交流館・プラザクリプトン、秋田温泉さとみ、秋田温泉プラザ、秋田学生の森プロジェクトチーム、青少年育成秋田県民会議
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- 協賛協力いただいた秋田学生の森プロジェクトチーム代表あいさつ
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- 紙芝居「森はみんなのたからもの」・・・小学生の主人公が森の妖精エココと出会い、森林整備から木材利用の大切さ、山と海の関係などを楽しく学ぶことができるストーリー。
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- スギの伐倒の実演・・・木を伐り倒す作業は、森林づくりの中で最も危険を伴う作業の一つ。一歩間違えば生死に関わるので、自分の安全はもちろん、周囲の人の状況にも常に気を配りながら作業を行う。伐ろうとする木の樹高の1.5倍のスペースが危険区域とされている。だから、一般参加者は、それより遠く離れた山側の位置に移動し見学する。
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- 斜面では立木の重心が谷側にあることが多いが、だからといって谷側に倒すと勢いがつき過ぎて大変危険。横方向へ倒すようにする。
- その倒す方向に「受け口」をつくる。水平に太さの1/4~1/3辺りまでチェーンソーを入れ、次に上から斜めに切り、三角の切り口を作る。
- 反対側から、受け口の下切り面より少し上くらいの位置を水平に切る。これを「追い口」という。受け口の少し手前まで切り込みを入れ、つなぎ目を切り残しておく。
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- 周囲に「倒すぞ~」と大きな声で知らせ、安全を確認してから、クサビを打ち込むなどして倒す。
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- 伐り倒した木は、ナタで枝を払ったり、チェーンソーで適当な長さに幹を切る。作業をする人が下側に立つと、幹が転がって下敷きになる恐れがある。だから、斜面の上側に立って作業をすると安全である。
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- 丸太輪切り体験・・・丸太を切るコツは、丸太に対して直角に切ること。斜めに切ると、それだけ切る断面が多くなるので✖。ノコギリの柄は、優しく握り、刃を前に出す時は力をかけず、引く時のみ力を込める。一気に切ろうとすれば、疲れる割に切る速度が鈍くなるので注意。
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- 里山散策と自然観察・・・里山周辺をゆっくり散策しながら、植物の名前やその由来、特徴、私たちの生活にどのように利用されているかなどについて学ぶ。特に食べられる木の実は、実際に口に入れて味わってみる。臭い匂いがするクサギや良い香りがするクロモジなどは、実際に匂いを嗅いでみるなど、五感を使うことで、より深く自然を観察できる。
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- ナツハゼの実・・・ブルーベリーの仲間なので、果実は食用になり、甘酸っぱい。
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- ツクバネ・・・実は、羽根つきの羽根に似て、落下するときは、まるでヘリコプターか竹とんぼのようにクルクルと羽根が回りながら落ちる。
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- ミツバアケビ・・・果肉は生で食べられるが、むしろ皮を使った料理が美味しい。
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- クリ・・・今年はクリが豊作だから、ツキノワグマが枝を折りながら夢中で食べているらしい。
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- スギヒラタケ(毒)・・・ 秋田では、人気の高いキノコの代表でスギカノカと呼ばれている。2004年、スギヒラタケが原因とされる急性脳症が多数報告され、今では毒キノコに分類されている。最近の恵みの雨でスギ林内の切り株や倒木に一斉に生えていた。
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- オオワライタケ(毒)・・・多量に食べると幻覚、幻聴を伴う精神の興奮、狂乱状態になる猛毒のキノコ。このところの雨で大量に発生しているので注意!
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▲黄色の実をつけるモミジイチゴの葉 |
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▲太いフジのツル |
▲クロモジの匂いを嗅ぐ |
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- サンショウ・・・トゲが対生する。よく似ているイヌザンショウのトゲは互生する。
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- イタヤカエデ・・・板が薄くはがれるのでカゴなどの細工物に使われる。
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- ロープワーク体験・・・アウトドアのあらゆる場面で役立つ基本的な結び方、もやい結び、8の字結び、本結び、巻き結び、引きとけ結びなどのやり方を学ぶ。「命綱」の言葉どおり、急斜面や岩場、滝など危険な場所は、補助的にザイルを使って滑落を防止する場合が少なくない。だからロープワークは、山遊びに欠かせない技術。しかし一度覚えたと思っても、日常生活では使わないので、すぐに忘れてしまう。そんな場合は、山に出かける前日に数回復習して、現場ですぐに使えるように準備することが肝要である。
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- 森の工作・・・昔の子どもたちは森で遊ぶ天才であった。特別な道具がなくても、あり合わせのもので上手に遊んだ。遊びの道具のほとんどは森にある身近なものを利用していた。森の工作コーナーでは、イタドリでつくった笛、草でつくった草笛、竹でつくった笛や水鉄砲など、昭和の遊びの天才たちが子どもたちに伝授。
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- アルプホルン(奥山勝栄さん作)・・・アルプスホルンは、筒の長い楽器で、指で押さえる穴のようなものは着いていない。吹き方で音程を調節する。アルプスの少女ハイジのテーマソングで、最初になる低い音の楽器が、アルプスホルンである。
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- 木陰でゆったりハンモック・・・緑の風が吹き抜ける空間に設置されたハンモックに、ユラユラ揺れると、非日常の世界、夢の世界へ
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- 森のブランコ ・・・スギの立木と間伐材、ロープでつくった森のブランコ。公園のブランコより遥かにスリル満点!
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- 秋の味覚「芋の子汁」で楽しい野外昼食・・・秋田を代表する秋の味覚と言えば、県北ではきりたんぽ鍋、県央ではだまこ鍋、県南では芋の子汁である。その秋田県独自の一大イベントが「なべっこ遠足」である。これは森の文化と言われる縄文時代以来、連綿と受け継がれてきた伝統文化と言えるかもしれない。
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- 木登り体験「ツリークライミング」・・・高い木にかけた専用ロープと、ツリーハーネスと呼んでいる安全ベルトをつなげて、ぶらさがったまま登ることができる木登りの方法で、木や森、自然との一体感を味わう体験活動である。その狙いは、「昔の人は森とのつきあい方、利用の仕方を良く知っていた。ツリークライミングを通して忘れ去られた森との接し方を学んでほしい」(ジョン・ギャスライト)
との願いが込められている。
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- おもしろクイズその1・・・マップに記された5地点を歩き、全てのクイズをクリヤーすれば豪華な賞品がもらえる。クイズは、「添川地区で春にとれるものは何でしょう」とか、「大滝山の標高は何メートルでしょう」といった難題まで出題された。
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- おもしろクイズその2・・・「秋田県の花は、ふきのとうである。○か×か」「秋田県の鳥は、キジである。○か×か」などと、クイズを出す。参加者は、正解と思われる位置に移動する。こうして最後まで勝ち残った人が1位。
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- 焼き芋、焼きマシュマロ・・・特製の一斗缶を使い、森のエネルギーである「炭火」で焼き芋と焼きマシュマロの美味しさを味わう。
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- 炭火焼が美味い理由は・・・遠赤外線は食材の表面組織を一気に硬化させるため、うま味を外部に逃がさない。さらに、その熱がほどよく中に伝わるので、外側はパリッと焼き目がついて香ばしく、中はホクホクに焼き上がり、うまみもキープされるからである
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- 炭火で焼いたホクホクの焼き芋を野外で食べると、やっぱり美味しい。
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- ご協力いただいた秋田学生の森プロジェクトチームの皆さん、ありがとうございました。
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- 最後にみんなで記念撮影。木漏れ日を浴びると、皆の顔が一層輝いて見えます。やっぱり五感をフルに使って森を体験、体感すると・・・
- 鈍っていた「五感」が呼び覚まされる
- 日ごろの「ストレス」が解放される
- 「不便」「失敗」も楽しいことがわかる
- 子供たちの「生きる力」が身につく・・・
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