山野の花シリーズ90 ホウチャクソウ、ツクバネソウ
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- ホウチャクソウ(宝鐸草、ユリ科)
高さ60cmほどになり、上部で枝分かれして、花は枝の先に1~3個ついて垂れ下がる。江戸時代後期の植物学者・飯沼慾斎(1783-1865)による「草木図説」にも、その特徴的な姿が描かれている。アマドコロやナルコユリに似ているが、本種は6弁ある花被片が離生しているので区別できる。やや薄暗い環境を好むことから、山地や丘陵地の林内に生えるが、特に植林されたスギ林に多い。全草が有毒なので、新芽を山菜と間違えないよう注意。北海道から九州に分布。
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- 名前の由来・・・垂れ下がって咲く花の姿を、寺院のお堂や五重塔などの軒にぶら下がっている風鈴に似た宝鐸に見立てて、「宝鐸草」と書く。
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- 花・・・枝先に細長い釣り鐘形の花を1~3個つける。白い花びらの先は緑色。
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- 毒草・・・山菜として利用されるアマドコロやナルコユリ、ユキザサの若芽と似ているが、本種は葉や茎に苦みや悪臭があり、毒草なので注意。
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- ツクバネソウ(衝羽根草、ユリ科)
葉は、4枚輪生し、長楕円形で先がとがり、柄はない。茎の頂に花柄を出し、淡黄緑色の花を1個上向きにつける。花びらは4枚で、黄緑色のため、長い雄しべがなければ花らしく見えない。山地の林内に生え、地下茎でつながって増える。山道沿いではまとまった群落によく出会う。丸くて光沢のある実をつけ、黒紫色に熟す。
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- 名前の由来・・・輪生する4枚の葉が、羽根つきの羽根に似ていることや、熟した実が羽子板の羽根に似ていることから、「衝羽根草」と書く。
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- 実・・・丸くて光沢のある実をつけ、熟すと黒紫色になる。実からはひからびた花びらが下向きにつき、羽根つきの羽根に見える。
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参 考 文 献 |
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
- 「春の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
- 「見わけがすぐつく野草・雑草図鑑」(成美堂出版)
- 「山菜ガイド」(今井国勝・万岐子、永岡書店)
- 「江戸花図鑑」(岩槻秀明、エクスナレッジ)
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