山野の花シリーズ82 ジシバリ、オオジシバリ、シラヤマギク
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- ジシバリ(地縛り、キク科)
田の畔や畑に普通に生えるほか、山地の崩れたところにも生える。茎は根元から地面を這い、切ると白い乳液が出る。葉は円形状で縁に切れ込みはなく、長い柄がある。葉をつけない花茎は細長く、先端に黄色い花を咲かせる。よく似たオオジシバリは、葉が長くへら状楕円形で柄があり、葉の基部にしばしば羽状に切れ込む。
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- 名前の由来・・・茎が地面を縛るように四方に這うことから、「地縛り」と書く。
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- 茎葉・・・茎は、やや赤みを帯び、茎を切ると白い乳液が出る。引き抜いても、ちぎれて残った部分から根を出して増える。葉は、円形か楕円形で、長い柄をもち、薄くやわらかい。鋸歯はほとんどない。
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- 花と花茎・・・花茎は細長く、根生葉の間から立ち上がり、茎に葉はつけない。しばしば枝を分けて、その先端に黄色い舌状花をつける。
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- やっかいな雑草・・・地表に茎を伸ばし、地についたところから根を出して張り付いたように繁茂する。だから地上部を取り去っても、すぐにまた生えてくるやっかいな雑草として、昔から嫌われている。
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- オオジシバリ(大地縛り、キク科)
田の畔や草刈りのゆきとどいた土手、農道の縁などに生える多年草。細く白い茎は地中を這い、節々から葉を出し群生する。葉はへら形で、下部が羽状に切れ込むことが多い。質はやわらかく、白っぽい緑色をしている。茎の先端にジシバリと似た黄色い花をつける。
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- 名前の由来・・・ジシバリより葉が大きく立ち、花も大きいことから、「大地縛り」と書く。
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- 花と花茎・・・花茎の高さは10~30cmになり、1~3回ほど枝を分けて、先端に黄色の舌状花からなる3cmほどの頭花をつける。
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- シラヤマギク(白山菊、キク科)
山の草原に生え、茎が赤くなるのが特徴。山地の林縁や高原などの日当りの良い乾き気味の草原に生える。葉は互生し、茎の下部の葉は三角状で翼のある長い柄があり、上に行くにしたがって短くなる。茎や葉には、ザラザラした毛が生えており、触るとザラつく。白色の舌状花は6~8枚と少ない。若芽は食べられる。
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- 名前の由来・・・白い花をつけ、山に生える菊の意味で、「白山菊」と書く。
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- 花・・・白い花びらは、規則正しく並ばず、時々歯が抜けたようにやや乱れた感じに咲く。
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参 考 文 献 |
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
- 「山渓カラー名鑑 日本の野草」(山と渓谷社)
- 「春の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
- 「秋の野草」(永田芳男、山と渓谷社)
- 「食草・薬草・毒草が分かる野草図鑑」(金田洋一郎、朝日新聞出版)
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