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山菜採りシリーズ⑥-2 タラノメ

  • 山菜として人気が高いタラノメ(ウコギ科)
     幹は一本幹が多く、鋭いトゲに覆われている。その先端の新芽が「タラの芽」で、山菜として人気が高く「山菜の王様」などと形容されている。やや乾燥した日当たりの良い場所を好み、荒地や開墾地にいち早く根差すパイオニア植物の一つ。採る際は皮手袋がベスト。ただし採るのは最初に芽吹いた1番芽だけ。2番目以降を採ると枯れてしまうので採取厳禁。山菜として栽培されているものは「メダラ」といい、葉や茎にほとんどトゲがない。今ではスーパーや直売所などでも野菜と同じく販売されている。 
  • 生育地・・・極端な陽樹で、日陰では育たない。伐採跡地や山火事で草木が焼けた跡、林道ののり面、崩壊地、原野などの日当りの良い場所に生える。周りに遮るものが何もない開けた場所には、しばしば群生する。 
  • ・・・直立した一本幹が多く、枝は少ない。その幹のほとんどが鋭いトゲに覆われている。樹皮は暗灰色、網目状の浅い裂け目ができる。 
  • なぜ全身にトゲがあるのか・・・裸地に他の樹木に先駆けて生えるので、野ネズミや野ウサギに食べられないよう、トゲで全身を覆い保護するためである。 
  • タラの芽(食用)・・・新芽は古くから人気のある山菜で、今では温室栽培もされている。同じ木の芽では、コシアブラの若芽も有名だが、秋田ではほとんど食べなかった。しかし、近年、コシアブラの人気も高まりつつある。
  • 新芽の食べごろ 
  • 採り方・・・軍手ではトゲが突き抜けるので、皮手袋がベスト。葉先が高い位置にある場合は、木を傷めないようカギ枝やロープを使い優しく手繰り寄せて採る。最初に芽吹いた芽だけを採取。二番目、三番目を採ると枯れてしまうので採取厳禁。 
  • ハカマを取り除き、よく洗い水気を切ってから料理する。太いものは二つに切る。
  • 料理・・・生のまま天ぷらが定番。衣も天つゆも薄めにして、タラノメそのものの風味を殺さないようにするのがコツ。 
  • その他料理・・・塩一つまみ入れた熱湯で茹で、水にとって冷ましてから水を切り、各種料理に使う。おひたしや胡麻和え、酢味噌和え、マヨネーズ和え、汁の実など。網の上で焼きながら味噌をつけて食べる味噌焼きも絶品。 
参 考 文 献
  • 「日本の山菜100 山から海まで完全実食」(加藤真也、栃の葉書房)
  • 「きのこ・木の実・山菜カラー百科」(主婦の友社)
  • 「見つけたその場ですぐわかる 山菜ガイド」(今井国勝ほか、永岡書店) 
  • 「山菜ガイドブック」(山口昭彦、永岡書店)