野鳥シリーズ94 イワツバメ
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- 岩場に営巣するイワツバメ(岩燕、ツバメ科)
岩場などに営巣する、腰の白いツバメ類。日本には夏鳥として渡来し、九州以北の全国で繁殖する。西日本では一部が越冬する。平地から亜高山帯まで広く生息し、崖地や建造物の軒下、橋の下などに集団で営巣する。春、巣には泥を使うため、水たまりに集まることが多い。
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- 特徴・・・黒と白のツートンカラー、白い腰、短い尾が特徴。雌雄同色。類似種のツバメやリュウキュウツバメは、額と喉が黒いので見分けられる。
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- 名前の由来・・・山地や海岸の岸壁、洞窟といった岩場に集団で営巣するツバメ類であることから、「岩燕」と書く。古くは山岳地帯にいるツバメの意味で、別名「岳つばめ」「山つばめ」などと呼ばれている。
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- 声・・・「ジュリジュリ、ビィビィ、ジュリジュリ」と、早口に濁った声で鳴く。
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- 生活環境・・・山地や海岸の断崖のように、下に支えがない場所に営巣するのが特異。また温泉旅館や山小屋の軒先に営巣していたが、市街地にコンクリート製の建造物が増えてくると、それらに集団で営巣し、分布を拡大してきた。
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- 食性・・・高い空を群飛しながら空中を飛び、昆虫類を捕食する。
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- 巣・・・天井に深い椀形に作られ、入り口は狭い。大きなコロニーでは、幾つも接していて、しばしばスズメに横取りされる。また長屋住まいのような巣は、ツガイごとに自分の巣を防衛するが、いさかいが絶えないという。
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- ♀の産卵が間近になると、♂はその後ろを盛んに付け回して飛ぶ。♀が受精可能な期間、♂は他の♂に浮気をしないようにガードする習性があるという。これはコロニー繁殖の中で、自分の遺伝子を確実に残すためのガードであろう。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
- 「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
- 「日本野鳥歳時記」(大橋弘一、ナツメ社)
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