野鳥シリーズ86 シロハラ
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- 腹が名前ほど白くないシロハラ(白腹、ヒタキ科)
冬鳥として全国に渡来するが、積雪の少ない地域に多い。平地林から山地林、都市部の公園、緑地などに単独で生息する。明るい場所はあまり好まず、薄暗い林の地上で昆虫類やミミズ、木の実を採餌する。飛んだ時に尾羽の先端にある白斑がよく目立つ。クリプトン周辺では春の渡り期、サクラが開花する頃に見られる。余談だが、シロハラは渡り期に窓ガラスにぶつかって死亡するケースがずば抜けて多いという。その理由は分かっていないらしい。
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- 特徴・・・アカハラとは、脇腹が赤くないことで区別できる。腹部は白っぽいが、名前のように真っ白ではない。尾の先に白斑が出る。♂は頭部から胸にかけて、♀よりも黒っぽい。
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- ♀・・・♂♀ほぼ同色だが、♀の頭部は褐色で、♂ほど黒っぽくない。
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- 江戸時代からシロハラと呼ばれ、別名ハラシロ、シロツグ、クハットリなどとも呼ばれた。
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- 見つけ方・・・林の中の地上から鳴きながら飛び立つ後姿を見ることが多い。その際、外側尾羽の先の白色が見分けのポイント。落ち葉をめくる音で気付くこともある。
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- 声・・・「ツィー」「キョッキョッ」と鳴く。4月頃、「ピョロン、ピョロン、ピョロン」とアカハラに似たさえずりを聞くことがある。
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- 渡りの時は群れで飛来するが、冬は単独の場合が多い。
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- 生息環境・・・越冬期は、低山や丘陵の下生えのある、よく茂った林に生息する。林から出ることは少ない。人家の庭にも来るが、裏庭の物置周辺のような暗い場所にいる。
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- 食性・・・冬の乾燥した雑木林で落葉をガサガサとめくって、ミミズや昆虫などを探す。木の実も食べる。
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- 木の実・・・トウネズミモチ、ピラカンサ、エゾノコリンゴ、柿、ガジュマル、ムクノキなど木の実も大好き。
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- 中国大陸から渡ってくる冬鳥だが・・・1991年、中国山地の標高約1000mのブナ原生林内で巣が見つかり、子育ても観察された。その他対馬や九州山地の内大臣などで繁殖が知られている。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
- 「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
- 「鳥のおもしろ私生活」(ピッキオ編著、主婦と生活社)
- 「くらべてわかる野鳥」(叶内拓哉、ヤマケイ文庫)
- 「里山の野鳥百科」(大田眞也、弦書房)
- 「森の野鳥を楽しむ101のヒント」(日本林業技術協会、東京書籍)
- 「野鳥と木の実と庭づくり」(叶内拓哉、文一総合出版)
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