野鳥シリーズ85 オオジュリン
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- ゆっくりしたテンポで鳴くホオジロの仲間・オオジュリン(大寿林、ホオジロ科)
頭と喉の黒が目立つホオジロ類。留鳥または漂鳥として北海道と青森、秋田の草原で局地的に繁殖し、冬季は本州以南で越冬する。繁殖期、非繁殖期とも湿原や河川敷に隣接するヨシ原や草原などに生息している。雑食性で、繁殖期は昆虫類、越冬期は種子やヨシの茎内に潜む昆虫を食べる。
- 写真提供:髙久 健氏 ブログ「ケンさん探鳥記」
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- 特徴・・・繁殖期の♂は、頭に黒いヘルメットをかぶっているような頭と喉元の黒が目立ち、白い頬線と襟巻のような白も目立つ。江戸時代には、「なべかぶり」とも呼ばれていた。下面は白っぽい。
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- ♀・・・頭部が褐色で、上面も♂に比べて色が淡い。喉元には、黒褐色の点がまばらに浮かんでいる頭部が褐色で、上面も♂に比べて色が淡い。喉元には、黒褐色の点がまばらに浮かんでいる。
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- 名前の由来・・・「チュイーン」「チィ ジュリーン」などと鳴くことから、大きな「ジュリン」の意味で名付けられた。
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- 声・・・ゆっくりしたテンポで「ジョッチッチィ」「ジョッチーチィーチィィチュリリ」などとさえずる。秋冬には「チュリーン」「チュウイー」と鳴いたりする。
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- 生息環境・・・湿原とその周辺の草原。特に繁殖期は、ヨシ、クサヨシなどの草原を好む。
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- 食性・・・ヨシの茎から茎へと移動しながらガの幼虫などの昆虫類を捕食したり、枯れたヨシの茎の中にいるワタムシ類をはぎ取ったりして食べる。地上に落ちた種子も食べる。
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- シシウドの花の上を次から次へと虫を追って飛びまくる♂
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- 繁殖期・・・5~7月、一夫一妻で繁殖する。縄張りをつくり、♂は、低木の頂などにとまってさえずり、興奮すると首の白い羽毛を逆立てる。地上の草の根元などに枯れ草で椀形の巣をつくる。巣づくりは♀のみで行い、♂は♀についてガードする。
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- 卵数4~5個、抱卵日数約13~14日、巣立ち日数約10~13日。(写真:給餌に励む♂親)
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- 越冬期・・・暖地の川や湖の岸のアシ原に生息する。数羽から10数羽の小群でいることが多い。アシの茎にとまり、クチバシでパチパチと音を立てて茎を割って、越冬している昆虫を探す。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
- 「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
- 「身近な鳥のふしぎ」(細川博昭、ソフトバンククリエイティブ)
- 「くらべてわかる野鳥」(叶内拓哉、ヤマケイ文庫)
- 写真提供:髙久 健氏 ブログ「ケンさん探鳥記」
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