野鳥シリーズ58 ノスリ
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- 杭や電柱のてっぺんにとまるノスリ(タカ目タカ科)
黒褐色斑とやさしい黒目をもつ、ずんぐりした体型のタカ類。北海道から四国にかけて繁殖する留鳥で、冬季は全国の農耕地、干拓地に飛来する。単独で見られることが多い。杭や電柱の上で待ち伏せ、主にネズミ類を捕食する。和名は、野を擦るように低空で飛翔することから名付けられた。
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- 見分け方・・・飛翔中、翼が幅広で長く、尾が短い。翼を浅いV字形に保って飛び、翼下面に黒斑がある。胸には縦斑、脇から腹にかけて斑が密になる。
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- 全長 オス52cm メス57cm 翼開長122~137cm
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- 声・・・「ピィーヨ」「ピィヨー」と優しい声で、割合よく鳴く。飛翔中は、「プィヨー」と少し調子を変えた声で鳴くこともある。
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- 生 活・・・亜高山から平地の林に棲み、干拓地や農耕地、川原、荒地など、開けた場所でエサをとる。ネズミやカエル、ヘビ、昆虫、鳥などを捕食する。飛びながら獲物を見つけると、低空飛翔で狙いをつけ、急降下して足指の爪で捕らえる。林内の大木の枝の股に枯れ枝を積み重ねて皿形の巣をつくる。
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- 繁殖と年間生活サイクル・・・関東森林管理局の調査結果によると、ノスリは2月頃にV字飛行や鳴きながらの飛行、波状飛行などのディスプレイを行う。3月中旬~下旬、巣づくりはオスとメスで行い、巣は樹上あるいは岩壁を使用する。4月に2~4個の卵を産み、主としてメスが抱卵し、オスは餌運びをする。ただし、共に抱卵することもある。4月末~6月に孵化し、6月~7月に巣立つ。
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- ハンティング・・・ノスリの狩りは、開けた草原のようなところが多い。ハンティングはまちぶせ型で、木にとまっている時も、地面をじっと見つめている。また、ホバーリングしながら獲物にねらいを定めてハンティングすることもある。
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- 鵟(ノスリ)・・・漢字表記は「狂った鳥」、古名では「くそとび」などと蔑視的な呼び方をされている。その理由は、ネズミしか捕らないので鷹狩りには使えないからだという。しかし、農作物の敵であるネズミを捕食してくれるので、農村部ではありがたい存在である。
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参 考 文 献 |
「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
「鳥のおもしろ私生活」(ピッキオ編著、主婦と生活社)
「野鳥観察図鑑」(杉坂学、成美堂出版)
「野鳥 ポケット図鑑」(藤本和典、主婦の友社)
「日本野鳥歳時記」(大橋弘一、ナツメ社) |