野鳥シリーズ48 ホオジロ、ミヤマホオジロ
ホオジロ、ミヤマホオジロ |
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- 天を仰いでさえずるホオジロ(スズメ目ホオジロ科)
その名のとおり、頬は白ではなく黒いが、その上下が白く太いので、顔全体を見れば白が目立つことが和名の由来であろう。春を告げるさえずりは、「一筆啓上仕り候」「源平つつじ、茶つつじ」「サッポロラーメン、味噌ラーメン」など、色々に聞きならされている。留鳥として全国で多数繁殖するが、北海道では夏鳥。
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- 見分け方・・・スズメに似ているが、顔が黒白模様で尾羽が長いのが特徴。下面と腰は赤茶色。類似種のカシラダカは、下面が白く、脇に橙茶色の縦班がある。メスは褐色部分が多く、頭部はオスより色彩のコントラストが乏しい。
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- 声・・・繁殖期、春早くからさえずり始める。木の梢や枝先にとまって「チョッピィーチチロ、ピピロピィー」などとさえずり、1羽のオスは十数曲のレパートリーをもっているらしい。それだけに様々な聞きなしがある。
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- 生 活
地上を歩いて、落ちているイネ科植物などの小さな実を拾って食べる。繁殖期になると動物食になり、ヒナに運ぶエサもほとんどは昆虫類。ツガイで縄張りを持ち、低木の枝の上や地上に、イネ科植物の茎や細根などで巣を作る。産卵期は4~7月。卵数3~5個。
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- 愛情深い鳥・・・一夫一婦で、一度ツガイになると死別するまで添い遂げる。ただし、抱卵はメスのみで、抱卵中のメスにエサも運ばないらしい。ヒナが誕生すると、オスとメスが共同で給餌する。
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- 偽傷行動・・・偽傷とは、傷付いたふりをして敵を惹きつけ、自分が守りたいものから遠ざける、はぐらかしディスプレイの一種。ホオジロは、巣や巣立ちビナに近づく敵に対して、両親ともに偽傷行動をする。
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ミヤマホオジロ |
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- ミヤマホオジロ(スズメ目ホオジロ科)
黄色い喉と眉斑が目立ち、冠羽を立てることが多いホオジロ類。冬鳥として全国に渡来。雑木林の比較的明るい場所を好み、カシラダカと一緒にいることがある。地上に落ちている草や木の種子をついばみ、昆虫やクモなども捕食する。1710年刊行の飼育書「喚子鳥」には、イラスト入りで紹介されるほど、江戸時代から飼い鳥として認知度が高かった。
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- 地上で採食・・・地上で採食することが多いが、不用意に近づくと、「チョッ」と鳴いて藪に隠れたり、樹上に上がったりする。再び地上に下りてくるのを待つしかないが、待ち切れずに撮った一枚。全長16cm。
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参 考 文 献 |
「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(山と渓谷社)
「ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑」(石田光史、ナツメ社)
「身近な鳥のふしぎ」(細川博昭、ソフトバンククリエイティブ)
「鳥のおもしろ私生活」(ピッキオ編著、主婦と生活社)
「日本野鳥歳時記」(大橋弘一、ナツメ社)
「野鳥観察図鑑」(杉坂学、成美堂出版) |