樹木シリーズ97 ムラサキヤシオツツジ
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- ブナ帯の新緑に映えるムラサキヤシオツツジ(紫八染躑躅、ツツジ科)
中部地方以北の山地から亜高山帯に生える。まだ残雪を踏む早春、タムシバやムシカリとともにブナ林を代表する低木の花である。他の落葉樹の花がまだ出そろわない新緑初期に咲く。淡い萌黄色の山々に鮮やかな紅紫色の花が一際目立つ。「山笑う」季節を象徴する花である。
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- 名前の由来・・・花が紫色の染料に何回もつけて染め上げたツツジのように鮮やかに見えることから、「紫八染躑躅」と書く。単にムラサキヤシオともいう。また、深山に咲くツツジであることから別名ミヤマツツジとも呼ばれている。
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- 花・・・葉に先立って枝先に濃い紅紫色の美しい花が2~6個咲く。花柄は1~2cm。花冠は直径3~4cmの広い漏斗形で、先は5裂する。
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- 雄しべ、雌しべ・・・雄しべ10個は長短がある。5個は長く、5個は短い。雌しべは1個で雄しべより長い。上の花びらの内側に黒い斑点がある。
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- 葉・・・枝先にやや輪生状に互生し、倒卵形または広倒披針形。質はかたく、表面に微毛がある。縁には細かい鋸歯があり、先はかたい毛となる。
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- ブナ林や渓流沿いで良く見掛ける。秋田では、昔からゼンマイ採りの頃からワラビ採りの頃まで咲くと言われている。
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- ブナ帯の森が新緑に包まれると、開葉に先立って開花する。
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- 新緑とムラサキヤシオツツジ・・・ブナの新緑に一際映える紅紫色のツツジが咲くと、全山、萌黄色に輝く新緑のピークを迎える。
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- 花の内側に黒く群がっているのは虫・・・花は、新緑に映えてよく目立つので、小さな昆虫たちがたくさん訪れる。
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- 落葉低木で、よく分岐する。若枝には腺毛があるが、のちに無毛となる。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「樹木 見分けのポイント図鑑」(講談社)
- 「樹木図鑑」(鈴木庸夫、日本文芸社)
- 「秋田農村歳時記」(ぬめひろし他、秋田文化出版社)
- 「秋田の山野草300選」(秋田花の会)
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