樹木シリーズ101 カマツカ、アズキナシ
INDEX カマツカ、アズキナシ |
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- 鎌の柄に使われたカマツカ(鎌柄、バラ科)
山地や里の雑木林に生え、公園にも植えられる。寒冷地では庭木として重宝されよく植えられる。春に小さな白い花を咲かせ、秋に果実が赤く熟す。定期的に伐採された里山では、切り株からすぐに萌芽し、株立ちした樹形になる。
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- 名前の由来・・・材が丈夫で折れにくいので鎌の柄に使われたことから、「鎌柄」と書く。この材を削って牛の鼻輪を通す穴開けに用いたり、鼻輪自体に用いたりしたことから、「牛殺し」、「牛の鼻木」などとも呼ばれている。
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- 花・・・短い枝の先に複散房花序をだし、小さな白い花が集まって咲く。花弁は5個で円形。
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- 葉・・・倒卵形で、縁には細かく鋭い鋸歯があり、葉先は尖る。サワフタギに似ているが、表面に毛がないことで識別できる。
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- 果実・・・秋に赤く熟し、先端にガク片が残る。果柄には褐色のいぼ状の皮目が多い。鳥が好んで採食することはないが、ほかの木の実がないと、アトリ類やレンジャク類、ヒヨドリが採食することがある。
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- 樹皮・・・暗灰色で縦にしわが寄り、斑紋がある
- 用途・・・庭木、器具材、薪炭、シイタケの原木
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アズキナシ |
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- 春に清楚な花を咲かせるアズキナシ(小豆梨、バラ科)
山の尾根や斜面に生え、高さは10~15mになる。秋に赤く熟す小豆に似た果実の表面に梨のように白い皮目があるのが和名の由来。ただし、食用には向かない。春に白い清楚な花を咲かせる。葉に規則正しい波状の構造があることが特徴で、その等間隔に並ぶ側脈が、物差しの目盛りをイメージさせるから、別名「ハカリノメ」と呼ばれている。
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- 名前の由来・・・10月頃できる実は、外見がアズキに似ている。またナシと同じような「石細胞」を持つことからアズキナシと名付けられた。
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- 花・・・枝先に複散房花序をだし、白い花を開く。花弁は5個。
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- 葉・・・葉には規則正しい側脈がある。別名「ハカリノメ」と呼ばれる由来は、等間隔の側脈が物差しのようなイメージを与えるからだという説と、枝に点在する白い皮目を秤の目盛に見たてたという説がある。葉は互生し、光沢がある。縁には重鋸歯がある。
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- 樹皮・・・灰黒褐色でザラザラし、老木になると縦に裂け目が入る。
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参 考 文 献 |
- 「山渓カラー名鑑 日本の樹木」(山と渓谷社)
- 「葉っぱで見分け 五感で楽しむ 樹木図鑑」(ナツメ社)
- 「里山の花木ハンドブック」(多田多恵子、NHK出版)
- 「講談社ネイチャー図鑑 樹木」(菱山忠三郎、講談社)
- 「樹木観察ハンドブック 山歩き編」(松倉一夫、JTBパブリッシング)
- 「図説 日本の樹木」(鈴木和夫・福田健二、朝倉書店)
- 「野鳥と木の実と庭づくり」(叶内拓哉、文一総合出版)
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